Galaxy Dual AFMコントローラーと特長
Galaxy Dualはサポートの終了した Agilent Technology 製 AFM に対応する 24 bit AFM コントローラーです。既存のAFMヘッドにプラグインし、付属の専用のソフトウェアを使用してこれまでと同じようにAFM動作が可能です。既存のコントローラーとの置き換えは非常にシンプルに行えます。
同社製AFMの中ですでに修理不可能なコントローラーの置き換えに対応いたします。また、AFMヘッド部の故障についても、CSI社にて修理できる場合があります。Agilent製のAFMのサポート終了でお困りの際はご相談ください。
また、旧式のコントローラーをお使いの場合は、旧コントローラーをGalaxy Dualに置き換えることによりコントローラーにより律速しているAFMのパフォーマンスを引き出すことで、性能が向上する場合もあります。
Galaxy Dualのもう一つの利点として、既存のAFMにCSI社オリジナルの測定モードを追加することができます。CSI社ではコンダクティブ(接触)AFMとKFMに関する、他社製品にはない有用なモードを提供しています。既存のAFMコントローラーをGalaxy Dualコントローラーに置き換えることでそれらの測定モードを利用可能です。Galaxy Dualは下記に挙げるAFMモデルのみに対応しており、そのほかのAFMには対応しておりません。
Galaxy Dual 対象モデル
Agilent製: 5100 AFM, 5500 AFM, 5600LS AFM, 5400 AFM, 5420 AFM, Pico STM
その他: Multimode AFM, Nano Observer AFM(CSI製)
Galaxy Dual 標準測定モード
Galaxy Dualの本体に標準搭載
- コンタクトモード
- オシレーションモード
- コンダクティブAFM
- EFM, MFM, PFM, LFM
- フォースモジュレーションモード
Galaxy Dual オプションモード
下記モードはオプション扱いとなり、コントローラー本体とは別に、それぞれ追加のために費用がかかります。必要なオプションのみを選択して追加できるため経済的です。
レジスコープ (Resiscope) 高感度広帯域 C-AFM [SSRM]
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ResiScope mode, Dopant profiling on clived Si, 2µm |
CSI社が提供する独自の導電性AFMの測定モードです。従来の導電性AFMではレンジ切り替えの際、走査を止めてプリアンプの交換を必要とするため、広いダイナミックレンジを取ることができないほか、同じ場所を異なるレンジで測定することが困難であるケースがあります。
レジスコープでは動作中にチップを流れる電流値を常にモニタリングしており、走査している最中にレジスコープモジュールがが自動で最適なゲインに切り替えます。これにより広いダイナミックレンジを達成するとともに、チップに過剰な電流が流れることを防止し、チップとサンプルを過剰な電流からのダメージより保護します。
測定範囲
- 電流値測定範囲: 50fA ‐ 1mA
- 抵抗値測定範囲; 10^2 Ω – 10^12 Ω
“レジスコープ ResiscopeII” の詳細はこちら
ソフトインターミッテントコンタクト(IC)モード
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Soft IC mode, PS-PMMA, 50µm |
ソフトICモードは、コンタクトモード、ACモードに変わるフィードバックモードとして使用できます。ソフトICモードではチップは表面から安全な距離 (リフト高さと呼ばれる) にまで上昇し、次の測定点に高速で移動します。位置に到達するとチップは停止し、サンプルに接触し、設定したフォースに達するまでサンプルに押し付けられます。ソフトICモードはコンタクトモードで頻繁に発生する、スキャン中の接着力の変化による不安定性を回避できます。リフト高さを粘着力以上に設定することで、チップを表面から完全に離脱させることができます。さらに、剛性(Stiffness)と接着力(Adhesion)がすべての測定点で取得できます。さらに剛性 (加えられた力とサンプルの変形の比率) を Soft Mechanic ソフトウェアモジュールを用いてヤング率を計算できます。
ソフトICモードで測定可能な項目
- 接着力 (Adhesion)
- 硬さ (Stiffness)
- ヤング率
- コンスタントフォース
- 定量的測定
また、レジスコープ、ソフトICモード両方のオプションを追加することでそれらを組み合わせたモードであるソフトレジスコープが可能になります。
“ソフトインターミッテントコンタクト(IC)モード” の詳細はこちら
ソフトレジスコープ
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Nano-tube, Soft Resiscope mode, 6um |
ソフトインターミッテントコンタクトモードとレジスコープの組み合わせにより、スキャン中傷つきやすいサンプルにおいてレジスコープを実施できるモードです。レジスコープは、サンプルに流れる電流を最適にする機能があります。これにより過剰な電流が流れることによるサンプルやチップへのダメージを避けるのに極めて有用です。これはCSIのResicope独自の機能です。また、フィードバックモードとしてはソフトICモードを使用するため、チップはコンタクトモードのようにサンプルに対してハードコンタクトしたり、摩擦を生じさせることがなく、サンプルへのダメージが大きく軽減されます。ソフトレジスコープは物理的、電気的、両方の意味でダメージを受けやすいサンプルに対応することが可能です。
“ソフトレジスコープ” の詳細はこちら
ソフトウェア
迅速に簡単に高解像度AFM像が得られます。
使いやすいインターフェース
Dual Galaxyの制御ソフト、NanoSolutionは直感的に操作できます。
- 低価格で高分解能を実現
- AFMのモードはワンクリックで選択
- ガイド付きワークフローボタン;
作業の流れに沿ってインターフェースが配置されており、画面の指示通りに走査していけば簡単かつ効率的にAFM測定が行えます。 - トップビューカメラにより光てこレーザ位置調整が簡単に行えます。サイドビューカメラによりプリアプローチ作業が簡単に行え、カンチレバーとサンプルの衝突リスクを低減します。
- パラメータ自動設定機能によりデータ取得までの手間を省きます。上級者向けにマニュアルでのオペレーションも行えます。

誰にでも使えるソフトウェアデザイン: 多用途、妥協のない性能

Nano SolutionはAFM初心者にも上級者にも満足いただける最適化されたソフトウェアです。オートセッティング機能により簡単かつ迅速に像を取得できます。ワークフローの指示に従うだけでデータが取得できます。
- オートチューン
- オートアプローチ
- オートゲイン
- オートセットポイント
一方で、上級者向けのマニュアル操作により、オペレータの経験に基づく測定条件でのデータ取得が可能です。
アドバンスドスペクトロスコピー
Nanosolutionソフトウェアはフォースカーブスぺクトロスコピー取得機能があります。
- FLEX GRIDは、ユーザが選択した任意の複数点におけるフォースカーブを取得します。
この時、通常のAFM像取得が同時に行われます。測定点はトポグラフィに表示されます。 - The FIXED STEP GRIDは、格子状に配置された各測定点でフォースカーブを取得するモードです。
- The EXPERT CURVE CONTROLはZ方向のセットバック距離、速度、リソリューション、ジュレ―ションタイムの設定が行えます。
