走査型画像顕微鏡解析ソフトウェア NovaISM

NovaISMとは

NovaISMは、PDA-23 SPADアレイ検出器専用に最適化された強力な蛍光寿命イメージング顕微鏡（FLIM）解析ソフトウェアです。最先端のピクセル再配置、コンピュテーショナルセクショニング、デコンボリューション技術を組み合わせ、従来の共焦点顕微鏡画像と比較して最大1.7倍の高解像度を実現します。焦点外光を効果的に除去することで、NovaISMはS/N比を向上させ、FLIM画像の寿命コントラストを大幅に改善します。これにより、より迅速な画像取得や、より優しいライブサンプルのイメージングが可能となり、高度なイメージスキャニング顕微鏡に向けたツールとしての役割を果たします。

共焦点顕微鏡での画像	NovaISMでの画像

画像: GattaQuant 160 nm 定規　（外部英文ページに遷移GATTA-SIM series)

NovaISMの特長

• PDA-23 SPADアレイ検出器に最適化されたLuminosa顕微鏡とのシームレスな統合
• ピクセル再配置とワンクリックデコンボリューションにより、共焦点イメージングよりも高い分解能を実現
• 最先端のコンピュテーショナル・セクショニングとライフタイム種分離の組み合わせにより、コントラストと解像度が向上
• 包括的なデータエクスポートオプション： OME-TIFFやスケーラブルベクターグラフィックスを含む複数のフォーマットをサポート

NovaISMでの先進のISM-FLIM解析：デコンボリューションによる高分解能イメージング

信頼の品質と精度

時間を削減し、サンプル分析に集中

高度な柔軟性

より解像度が高く、よりコントラストの高い画像を取得

ISM、コンピュテーショナル・セクショニング、デコンボリューションの効果を段階的に観察可能。

PDA-23検出器の全23ピクセルを合計した強度画像。通常の共焦点イメージングとよく一致している。GattaQuantによるU2OS細胞、Alexa488によるチューブリン染色。	イメージ走査型顕微鏡アルゴリズム（ピクセル再割り当て）で得られた強度画像は、共焦点の場合と比較して解像度が約30％向上。	ISMとコンピュテーショナルセクショニング後の強度画像。コンピュテーショナル・セクショニングにより、ピンぼけ光が除去され、よりコントラストの高い画像が入手可能	ISMとコンピュテーショナル・セクショニング、ルーシー・リチャードソン・デコンボリューション後の強度画像。デコンボリューションにより解像度が約30%向上。

強化された分析： 段階的な強度トレースの向上

チューブリン鎖の数本にわたる断面に沿った強度トレース。各分析ステップで得られた改善度を示します。

高度なコンピュテーショナル・セクショニング： 焦点外光を除去し、寿命種の分離を実施

計算上の断面は、PDA-23検出器アレイ上の強度分布の混合除去に基づいています。 厚いサンプルでは、コントラストを制限し、デコンボリューションプロセスでアーチファクトを発生させ、寿命-種の決定に干渉するため問題となることがあります。 NovaISMが提供するコンピュテーショナル・セクショニングでは、このような問題はすべて解決されます。

強度強調ISM-FLIM画像。カラースケールは、青（短寿命）から赤（長寿命）までの高速のライフタイムのコントラストを表し ています。サンプル：神経細胞海馬培養、ミトコンドリアマーカーTOM20をCy2で標識（ライフタイムは1.3 ns）、シナプス小胞マーカーSYPT1をOregonGreenで標識（ライフタイムは3.5 ns）。サンプルはUMGゲッチンゲンのRizzoli labのEman Abbas博士が作成。	NovaISMでは、コンピュテーショナル・セクショニングを寿命種分離と同時に行うことで、焦点内と焦点外の寄与を寿命種ごとに独立して決定することが可能となっています。さらに解析を進めるためには、焦点外部分のみを使用することが可能で す。上側： SYPT1、下側： 左側：焦点外、右側：焦点内。
デコンボリューションは、焦点内部分に対してのみ実行されます。厚いサンプルにデコンボリューション・アルゴリズムを適用する場合、焦点外光から生じる問題を解決します。最終的な結果は、高解像度、極めて高いコントラスト、および寿命に基づくマーカーの同時多重化を備えた画像を得ることができま す。SYPT1はシアン、TOM20はイエロー。	コンピュテーショナル・セクショニングの原理の簡単な模式図。PDA-23検出器上の光の分布を、幅の異なる2つのガウシアンで当てはめます。焦点内部分は幅の狭いガウシアンに対応し、焦点外部分は幅の広いガウシアンに対応します。パラメータはソフトウェアによって自動的に推定されますが、必要に応じてユーザーがいつでも微調整することができます。