高解像度&リアルタイム テラヘルツイメージング技術
柔軟な照明パターンを提供するTHzビームステアリングユニット
このテラヘルツ放射のコヒーレンスによる制限を解決するため、Lytid社とIMS Nanoelectronicグループでは、均一な照明パターンを柔軟に生成できるプログラマブルなビームステアリングユニットを含む、革新的なイメージングセットアップを開発しました。光学系は、TeraCascade1000からの数mWの2.5THz出力光をベースとして、この光がビームステアリングユニットを通って伝播します。ガルバノミラーでレーザービームを高速ステアリングすることで、適切な照明パターンが生成されます。サンプルを透過または反射した後に、THz対物レンズ TeraLens(40mm – f/0.83 – x0.22)を搭載したボロメータカメラで画像を取得します。検出器のフレームレートは、完全なパターンが生成された後に画像を収集できるように調整されており、リアルタイムイメージングでSNRを向上させることができます。さらにビームステアリングユニットは完全にプログラム可能ですので、さまざまなサンプル寸法や用途に合わせて照明パターンを調整できます。
高解像度&リアルタイム テラヘルツイメージング技術の導入例
プログラム可能な均一照明パターン技術は、複数のアプリケーションでパフォーマンス向上に寄与し、リアルタイム照明スキームのさまざまなバリエーションで実証されています。以下に、線形スキャン構成やフルフィールドイメージング取得における成果を示します。開発されたシステムはその高い柔軟性によって、ここで紹介する以上に、無限の可能性と無数のアプリケーションへのアクセスを可能にします。
リニアスキャンによる高解像度化とSNR向上
このイメージングセットアップは、スキャンモードで使用します。均一な照明パターンは静的で、さまざまな特徴的な張り出し要素を備えたポリプロピレンサンプルを、正面から直線的にスキャンします。透過したテラヘルツ放射線は、ボロメータカメラによって収集されます。高解像度かつ高SNRのリアルタイム再構成を実現したこのイメージングモードは、産業用途における非破壊検査にこの方法が適していることを示しています。
2Dパターンによるフルフィールド・ホモジナイズド・リアルタイムイメージング
以下はフルフィールドイメージングの例です。THzパターンでさまざまなサンプルを照射し、透過放射光をボロメータカメラで収集します。照明パターンは、各サンプルごとのサイズに合わせてプログラムされています。2.5THz時の、これらの画像の一般的な取得時間はわずか160ミリ秒、達成可能な解像度は250ミクロンです。