非接触光学式3D形状測定の原理

SENSOFAR Metrology

非接触・非破壊でナノメートルからミリメートルオーダーの3D形状、および表面粗さを測定することができる形状計測技術の原理について紹介します。

光学顕微鏡

光学顕微鏡を使用した3D表面形状の代表的な測定原理として共焦点、白色干渉計、焦点移動方式が挙げられます。すべての原理に共通している点は、光学顕微鏡を用いて、対物レンズの焦点をサンプル表面に合わせ、高さ方向にスキャンした際に得られる信号・画像の情報を積層して、3次元形状を取得している点です。それぞれの技術には、得意な表面性状や、測定可能なスキャンレンジや最小分解能などに違いがあります。
 

焦点移動方式

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焦点移動方式は、被写界深度が小さな光学系を用いて、Z方向にスキャンを行い、対象物表面の顕微鏡画像を連続的に撮像します。この画像をアルゴリズムで解析し、焦点の合った座標を抽出し、Z方向に積層することで3次元形状を取得します。この技術の特長は、高い測定傾斜(最大86°)、最も高速(3 mm/s)、広い垂直測定範囲です。全焦点法とも呼ばれます。

共焦点方式

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レーザー顕微鏡として広く知られている方式で、光学系の光路に開口(ピンホール、スリットなど)を設けることで、焦点の合っていない焦点外れの光を検出せず、サンプル表面の焦点の合っている点からの反射を効率良く検出することができます。そのため焦点移動法よりノイズの少ない信号を得ることができ、分解能を高めることができます。測定用のビームまたは開口を、機械的またはデジタル的に走査して得られた2D像を、高さ方向に積層することにより、3次元形状を取得します。右図は、ピンホール式共焦点方式の典型的な光学系です。
共焦点法は、滑らかな表面から非常に粗い面まで、様々な表面を測定できます。最高の横方向解像度を提供し、ライン&スペースは最高0.14μmです。空間サンプリングは0.01μmまで低減でき、厳密な寸法測定に最適です。高いNA値(0.95)および倍率(150X)の対物レンズが利用可能で、70°を超える急峻な局所傾斜を持つ滑らかな表面(粗い表面の場合は最大86°)の測定に適用できます。

白色干渉計方式

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光源から出た光は2つの光路に分けられ、一方はリファレンスミラーで反射され、他方は、サンプル表面で反射されます。2つのビームは同一光路に戻り、重なり合うと、空間干渉パターン(干渉縞)が得られます。干渉縞は2つのビームの光路差の情報をもっており、Z方向にスキャンした際に得られる連続した干渉縞像から表面の高さを高分解能に計測することができます。光干渉法の垂直分解能は、対物レンズのNA、倍率に依存しないため、低倍率(2.5X)を用いれば、同じ高さ解像度で広い視野を一括で測定することができます。

PSI 位相シフト干渉法は、滑らかで連続的な面の表面高さを0.1nm以下の分解能で測定します。Sensofarのシステムは0.01nmの垂直分解能を実現しました。
CSI 垂直走査型低コヒーレンス干渉法は、白色光を用いて滑らかな面からやや粗い面の表面高さをスキャンし、すべてのレンズ倍率において1nmの高さ分解能を達成します。

 

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共焦点方式と白色干渉計方式の詳細な比較については、次のページをご参照ください。
レーザー顕微鏡と白色干渉計の違い

その他、Sensofar社の優れた独自技術については、次のページご参照ください。
先進的な測定・観察方式

・光学研磨面の粗さ測定(白色干渉計)
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・0.29nm段差の測定(白色干渉計)
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・切れ刃測定(共焦点)

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・工具形状測定(焦点移動)

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顕微鏡システム

専用システム

高速・多機能モデル S neox

sneox-sensofar-jlc_20220616S neoxは3D測定顕微鏡の上位モデルです。最も多機能で、高速かつ高精度な測定が可能なシステムです。R&D、品質管理(QC)の双方の用途に使用されます。

  • 3-in-1:白色干渉計(CSI/ePSI/PSI)・共焦点・Ai焦点移動
  • 高速測定(従来比:5倍)
  • 垂直方向分解能:0.01nm(PSIモード)
  • 電動ステージ、スティッチング機能

高速・多機能モデル ”S neox”

5軸オプション S neox Five Axis

sensofar5axis-jlc-20220616S neoxに高精度電動2軸回転ステージと高度な検査・解析機能を組み合わせ、360度全周方向から3D表面形状の測定が可能なモデルです。

  • 5軸測定システム
  • 機械工具の刃先の形状解析
  • 精密部品、金型の360度粗さ解析
  • S neoxセンサヘッドを使用

5軸オプション ”S neox Five Axis”

R&D向けコンパクトモデル S lynx

コンパクトモデル S lynx_sensofar_20220616S lynxはコンパクトなサイズにSensofarの3-in-1テクノロジーを搭載した卓上型システムです。手動ステージを使ったシンプルな構成で、R&D用途に最適な製品です。

  • 3-in-1:白色干渉計(CSI/ePSI)・共焦点・焦点移動
  • 手動ステージ(スティッチング機能有)
  • サンプル高さ 0~150mm

R&D向けコンパクトモデル ”S lynx”

 

 

装置組込み用白色干渉計・共焦点顕微鏡・面粗さ計

コンパクト・多機能モデル S mart 2 sensor

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ヘッド内蔵コンピュータにより省スペースな組込みが可能。
 

  • FOV (シングルショット) 最大 2.8 x 2.8 mm
  • コンピュータ ヘッド内蔵
  • 測定時間 2 s
  • 光学分解能 < 155 nm
  • システムノイズ < 3 nm
  • 3-in-1:白色干渉計(CSI/ePSI)・共焦点・焦点移動

装置組込み用非接触面粗さ計 S mart2 sensor

 

超高速白色干渉計モデル S onix sensor

S onix sensor

「面」を測定する白色干渉計。超高速干渉モデルで従来比9倍高速。優れた分解能を持ち産業用途に最適。
 

  • FOV (シングルショット) 最大 5.0 x 3.8 mm
  • 測定時間 3 s
  • 光学分解能 < 190 nm
  • システムノイズ < 1 nm

装置組込み用非接触面粗さ計 S onix sensor

 

高速・多機能モデル S neox sensor

Sneox sensor

組込み型センサの中でも最も柔軟性に優れ、最も多機能な産業用3D測定センサです。
 

  • FOV (シングルショット) 最大 6.7 x 5.6 mm
  • 測定時間 3 s
  • 光学分解能 < 148 nm
  • システムノイズ < 0.01 nm
  • <高速共焦点(60fps)
  • 0.01nm 垂直分解能
  • 4-in-1:共焦点、光干渉(CSI/PSI)、Ai焦点移動、薄膜

装置組込み用白色干渉計・共焦点顕微鏡 S neox sensor

 

クリーンルーム対応モデル S neox Cleanroom sensor

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多機能な組込み可能ヘッド。ISO Class 1に対応
 

  • クリーンルーム対応(ISO Class 1に対応)
  • FOV (シングルショット) 最大 6.7 x 5.6 mm
  • 測定時間 3 s
  • 光学分解能 < 148 nm
  • システムノイズ < 0.01 nm
  • 4-in-1:共焦点、光干渉(CSI/PSI)、Ai焦点移動、薄膜

クリーンルーム対応 装置組込み用
白色干渉計・共焦点顕微鏡 S neox Cleanroom sensor

 

ソフトウェアパッケージ

Swide

  • SensoSCAN
    計測ソフトウェア(標準搭載)
  • SensoVIEW
    分析ソフトウェア(標準搭載)
  • SensoPRO
    QC向け解析ソフトウェア、他店自動解析、合否判定
  • SensoMAP
    MountainsMap®、フレキシブルなレポート作成
  • SDKソフトウェア開発キット

すべてのソフトウェアは、面粗さに関するISO 25178規格に準拠しています。
 
ソフトウェアパッケージ
 

技術情報

先進的な測定・観察方式
レーザー顕微鏡と白色干渉計の違い

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