原子のレーザー冷却&トラッピング

NKT Photonics

NKT Photonics社のKoherasシリーズ 単一周波数ファイバレーザーは、超低ノイズ、狭線幅、高い周波数安定性、さらには堅牢で信頼性の高いファイバー出力レーザーで、原子トラッピング/原子冷却に最適です。

レーザー冷却およびレーザートラッピングは、レーザ光を用いて原子を絶対零度近傍まで冷却し、孤立させた単原子をトラップする技術です。原子の運動を制御することで、原子の挙動や量子力学的特性の研究が可能になります。
 
レーザー冷却には、ドップラー冷却のほか、サブドップラー技術(ドップラー限界すなわち原子遷移の自然線幅に達する際に利用されます)、ボーズ・アインシュタイン凝縮における蒸発冷却で原子をより低速化するなど、複数の技術があります。レーザー冷却/レーザートラッピングの主なアプリケーションには、時間/周波数標準(原子時計)、GPSシステムやナビゲーション、基本定数の研究、量子情報(計算や暗号化)、原子干渉法(石油やガスなど天然資源の重力検出)などが挙げられます。
 
共鳴レーザー冷却には、特定の原子/イオンの電子遷移と一致させるために非常に正確なレーザー波長制御が必要であり、また多くの場合原子遷移よりも狭線幅のレーザーが求められます。この要件に、NKT Phoronics社のKoherasシリーズをはじめとする、DFBファイバーレーザーが理想的です。
 

レーザー冷却の原理

原子のレーザー冷却/レーザートラップを行うにあたって、原子スケールでは温度によって原子が運動していることを理解しておく必要があります。この運動を減少させることと、温度を下げることは同義です。原子の電子遷移と一致する波長をもつような、特定の原子を冷却するために必要な特性を備えたレーザーを注意深く選定することで、レーザー冷却を達成できます。
 
原子冷却では、ランダムに移動する原子がレーザーに向かったときにのみエネルギーを吸収します。しばらくすると、原子は吸収した光をランダムに再放出し始めます。実質的には原子がレーザーに向かう方向の運動エネルギーを失うため、その向きで減速します。
 
ここで3次元全てにビームを追加すると、原子はすべての方向に対して減速します。この方法では、使用する原子によって原子を1°K未満に冷却できます。
 
この方法でのレーザー冷却の達成のためには、特定の方向に移動しているときにのみ原子に吸光させることです。原子は、許容された特定の周波数に一致する光のみ吸収できます。ルビジウムの場合、この周波数の1つは、波長780nmの光に対応します。波長がこれより長い場合、ルビジウム原子は吸光しません。
 
ドップラー冷却によるレーザー冷却システムでは、レーザーの波長は吸収に必要な波長よりもわずかに長くする必要があります。原子がレーザーに向かって移動すると、ドップラー効果により原子に照射されるレーザー光は短波長になり、原子が吸光します。原子がレーザー光源から離れると、原子の受ける波長は長くなり、何も起こりません。磁気光学トラップ(MOT)を使用すると、原子に両方向から、また3次元方向から光を照射できます。これにより、ルビジウム原子は数µKまで冷却されます。また一部では、原子を他のタイプのレーザー冷却システムに伝送して、さらに温度を下げることも可能です。

 

使用レーザーの要件

原子のレーザートラッピング/レーザー冷却で使用するレーザーには、以下3つのパラメータが重要です。
 

  • 安定した波長
  • 原子冷却用のレーザーには、正確な波長制御性が求められます。システムを微調整するため、絶対波長を適切に定義でき、かつ調整可能であることが必要です。また波長が変動しないことも重要です。レーザー線幅は、短い時間で波長がどの程度変動するかを表します。
     

  • 狭線幅
  • レーザーの線幅は、原子の自然線幅よりも大幅に狭いことが条件です。そうでないと原子自体ではなく、レーザーによって到達可能な最低温度が制限されます。同様に、強度変動(相対強度ノイズ, RIN)も原子の加熱の原因となり、その冷却速度を制限します。
     

  • 高出力
  • 高出力は、多数の放出光子を意味します。トラップ内の原子の数、および原子が光子を吸収する確率は、光子の可用性に依存します。

 

NKT Photonics社 Koherasシリーズ 単一周波数ファイバレーザー

NKT Photonics社の Koherasシリーズ 単一周波数ファイバレーザーは、超低ノイズ、狭線幅、高い周波数安定性、さらには堅牢で信頼性の高いファイバー出力レーザーで、原子トラッピング/原子冷却に最適です。特にベンチトップ型のKoheras BOOSTIKは、世界各国のラボで使用される実績の高いモデルです。BOOSTIKは、原子物理学の様々なニーズに合わせて、広い波長範囲と出力レベルを選択できます。また、HARMONIK 周波数変換モジュールを組み合わせて、780nmも出力できます。
 

  • 使いやすい&メンテナンスフリー
  • 高い周波数安定性
  • 超低ノイズ
  • 優れたビーム品質
Koheras Boostik モデル HARMONIK Y10 E15 C15
波長 775-780 nm 1030-1090 nm 1530-1575 nm 1530-1575 nm
出力パワー > 7 W 2, 5, 10, 15 W 2, 5, 10 W 2, 5, 10 W
PM
ピエゾチューニング

波長選択性

DFBファイバーレーザー技術の主な利点の1つは、波長を自由に選択できることです。Koheras BOOSTIKシステムの周波数変換は、さらに優れたビーム品質も兼ね備え、原子物理学の幅広いアプリケーションで有用です。

レーザーによる量子コンピューター


量子コンピューターの最も有望な構築方法は、極低温原子を量子ビット(または「キュビット」)として使用するものです。特定のレーザーで原子を冷却し、空間中に静止させることが可能です。
冷却原子は、超高精度GPSシステムに使用される原子時計や、隠された物体の位置を重力によって特定するシステムなど、多様なアプリケーションに役立ちます。
 
(左図:冷却原子による量子重力センサ。the UK National Quantum Technologies Programme。)

 

Koherasレーザー 原子物理学導入例一覧

トラッピング&レーザー冷却

バリウム

ベリリウム

マグネシウム

ルビジウム

ストロンチウム

イッテルビウム

ヘリウム

一般

分光

周波数変換

その他

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