Kemtrakのフォトメータは、液体および気体の濃度・濁度・色をリアルタイムで正確に測定する光学アナライザです。
測定環境の影響を受けにくいデザインおよび長寿命LED光源の採用により、様々な産業プロセスに実装されています。
アプリケーション
- 石油化学
水中の油分測定
色測定(ASTM D 1500カラー)
色測定(Sayboltカラー) - 製薬&バイオテクノロジー
たんぱく濃度 - パルプ&紙
二酸化塩素の濃度測定 - 食料と飲料
乳製品 - 水と環境
水の色測定
分野:石油化学
アプリケーション:水中の油分測定
装置:TC007
原油は、さまざまな分子量の炭化水素とそのほかの有機化合物から構成されており、その色は黄色から黒色の液体です。原油は水と混ざりませんが、攪拌条件下では油の濃度に比例した濁度を持つ水中油型エマルジョンを形成します。
水中に分散した原油は、TC007濁度計を使用して正確に測定することができます。原油は水と混ざらないため、分析中のサンプルは均一性を確保するために乱流下にあることが必須です。この場合、細い口径の測定セルを使用して、バイパスラインに装置を設置することが推奨されます。こうすることで自然に乱流が発生し、またゼロ点校正や洗浄も容易に行えます。例えば、内径が¼インチまたは½インチのNPTネジ山タイプの測定セルが使用できます。動作中は、高速の乱流により測定窓(サファイア)に付着物が着きにくくなり、使用してないときには、粘着性堆積物が窓に蓄積しないように、測定セルを水で洗い流すことができます。
図のキャリブレーション線は、蒸留水中の0-5%濃度範囲の軽油を測定した結果です。
水中の軽質原油(5%) 左:振った直後(混濁状態) 右:5分後(分離状態) | 1/4インチNPT産業用光ファイバ測定セル (SUS316L、モネル400、チタンまたはハステロイ製) |
分野:石油化学
アプリケーション:色測定(ASTM D 1500カラー)
装置:DCP007
ASTMカラー(ASTM D 1500 )は、石油製品の色を淡い色の0.5から濃い色の8.0に数値化して分類したものです。石油のほか、潤滑油、加熱油、ディーゼル燃料油など広範囲の石油製品に適用されています。
石油精製プロセスにおいて、蒸留液の色と精製度との間には相関関係があります。精製プロセスの間に、原油は濃い赤・黒から淡黄色の色相まで、異なる色を有する様々な製品に変換されます。異なる石油色をASTM D 1500カラーで正確に測定することで、精製プロセスを制御することができます。なお、ASTM D 1500カラースケールは、界面の検出、および製品の汚染監視にも使用されます。
ASTM D 1500カラースケールは、DCP007光度計を用いて正確に測定することができます。DCP007は、Kemtrak独自の2波長測定技術を搭載しており、濃色から淡い色まで測定することができます。また、2波長測定技術は、光学窓の濁度や汚れを補正するために使用されます。Kemtrakの測定セルは電子機器、可動部品および熱源を含まないため、危険な環境下の設置にも最適です。測定セルは275度までの周囲温度まで対応可能です。
防爆ケース(本体用) |
分野:石油化学
アプリケーション:色測定(Sayboltカラー)
装置:DCP007
ASTM D 156 Sayboltカラースケールは、石油化学や製薬業界で、液体製品の淡黄色度を評価し、製品の汚染を監視するために使用されています。Syboltカラースケールは、モーターおよび航空ガソリン、ジェット燃料、ナフサ、灯油、医薬用ホワイトオイルなどの広範囲の製品に適用されています。
Sayboltカラースケールは、Saybolt色標準ガラスと溶液の透過光の明るさの比較に基づいたスケールです。そのため、オペレータ個人の偏りや誤差を生じやすい方法ですが、Kemtrak DCP007光度計を使用すると数値化および自動化することができます。Sayboltカラーにおいて無色溶液はSayboltカラーの「+30」で、最も濃い色は「-16」です。これは溶液の高さ(光路パス長さ)に対応しています。最高の分解能と精度を得るためには、機器を希望の測定範囲に合わせて設定する必要があります。例えば溶液汚染モニタリング用途では、長い測定光路長を使用し(典型的には100mm以上)、カラースケール範囲は、+30(無色)から+10に設定するケースが多いです。
製薬&バイオテクノロジー
アプリケーション:たんぱく濃度
装置:DCP007
タンパク質は、1つまたは複数のアミノ酸からなる大きな生体分子です。溶液中のタンパク質は、紫外線波長において吸収特性を示します。例えば芳香族アミノ酸 - フェニルアラニン、トリプトファン、チロシンおよびヒスチジン ー は280nm付近で最大吸収を示します。クロマトグラフィーHPCLでは、カラムから溶出した総容量に加えて、UV吸収を利用して、タンパク質がカラムから溶出するときの開始・終了を検出します試料を溶かす移動相は280nmにおいて吸収特性を持たないことが多く、組成に関係なくクロマトグラフ分離を正確に制御できるため、たんぱく検出にはUV吸収が良く用いられています。そのほか、280nmと260nmの吸光度の比によって生体分子の純度を測定することも可能です。
DCP007-UV LED光度計はタンパク質濃度を正確に測定するための推奨モデルです。従来型のUV光度計は強力な水銀蒸気UVランプを使用するため、サンプルは広域スペクトルの紫外線とランプから発生する熱にさらされます。従来型のUV光度計で使用されている高温の広域スペクトルUV放射は、分析サンプルを破壊・分解し、全く別の生成物をもたらしてしまう可能性があります。DCP007-UVフォトメータでは、高輝度UV LED光源を使用しています。サンプルは、分析に必要な単波長の低出力「cold light」の照射を受けますが、これは従来のUVランプよりも何千倍も弱いパワーです。さらに、UV LED光源は高速ON/OFF変調されており、非常に短いパルスの間に測定するように構成されているので、サンプルのUV曝露量を劇的に低減します。
DCP007(DN50 TriClamp測定セル) |
製紙・パルプ
アプリケーション:二酸化塩素の濃度測定装置:DCP007
二酸化塩素分析装置-液体および気体の成分濃度測定
二酸化塩素(ClO2)は、パルプおよび製紙産業において、漂白剤として主に使用されています。二酸化塩素は350nmから500nmまでの強いUV吸収を持ち、DCP007モデルを使って、液体または気体の状態で正確かつ連続的に測定することができます。DCP007では、高性能・長寿命のLED光源が使用されており、これは従来型フォトメータに搭載されている白熱ランプよりも格段に安定しています。そのため、ドリフトが発生せず、再校正がほぼ不要になります。LED光源はメンテナンスフリーです。2つの光波長で同時測定を行い、窓の汚れや混入した微粒子/懸濁物質の影響を受けない正確で信頼性の高い測定を提供します。その結果、消耗品の試薬を必要とせずに連続濃度分析を行うことができます。1 ppm の低濃度から20g/Lまでの高濃度までのClO2を安定して測定することができます。
初期校正は、理論上の校正係数を使用して工場で行われます。また、オプションのバリデーションアクセサリを使用すると、分析装置の性能を検証するため、プロセスを中断することなく、NISTトレーサブルなバリデーション・フィルタ利用可能です。測定波長は濃度に依存します(360 – 500 nm)が、660 nmの基準波長はサンプルの濁度と窓の汚れを補正するために使用されます。すべての接液部はチタンやサファイアなどの耐食性材料で製造されています。このアプリケーションに推奨される測定セルは、水分を使用して装置をゼロ調整できるバイパスラインに設置されたDIN DN25またはANSI 1 “150ポンドです。
食料と飲料
アプリケーション:乳製品
装置:NBP007
Kemtrak NBP007は、牛乳、クリーム、ヨーグルトやクリームチーズなどの乳製品の連続全固形分モニタリングに適したモデルです。Kemtrak NBP007では、後方散乱反射率測定を利用しています。測定は、CIPおよびSIP洗浄サイクルに存在する高温および化学物質に耐えるように設計された衛生的なプロセス接続を使用して、継続的かつリアルタイムに行われます。
通常の濁度計では、1%を超える懸濁固体の濃度測定は困難ですが、NBP007ではあらゆる濃度の乳製品プロセスを監視し、制御することができます。NBP007の推奨される設置方法は、Tri-clampなどのサニタリークランプを用いてパイプラインに直接取り付ける方法です。NBP007プローブは、測定部に傷に強いサファイアウィンドウを備えたステンレス製です。プローブは高度研磨の表面仕上げがなされており、汚れが付着しにくく衛生的な用途に適しています。プローブは120°Cまでの温度に耐え、高温のSIPサイクルに適しています。さらに高温まで耐える高温用プローブも利用可能です。NBP007のユニークな点は、かなりの高濃度の懸濁物質でも測定ができることです。NBP007-L(ローレンジ)アナライザーは最大10%の全固形分濃度までのプロセス濃度にお勧めです。一方、NBP007-H(ハイレンジ)アナライザーは10%を超える浮遊固形物の正確なモニタリングに使用する必要があります。
NBP007 (DN25/1” sanitary clamp pipe coupling ) | 濃厚ダブルクリームの連続インラインモニタリング |
水と環境
アプリケーション:水の色測定
装置:DCP007
プラチナ-コバルト色分析
プラチナ – コバルト(Pt-Co)カラースケールは、液体の「黄色味」を測定するもので、品質管理や汚染検出に非常に適しています。 プラチナ‐コバルト(Pt-Co)スケールは、排水中の汚染レベルを評価し、飲料水の品質管理と規制に使用されます。プラチナ‐コバルト(Pt-Co)スケールは地下水中の鉄濃度の測定と管理にも使用できます。DCP007は、液体の色を正確に測定するように設計された紫外‐可視光‐近赤外(UV-VIS-NIR)対応の産業用LED光度計でもあります。 リアルタイム測定結果は、PCU(Pt / Co)、Hazen、またはAPHAの単位で表示されます。 測定波長は、サンプルの色によって異なりますが、通常は380〜500nmです。 色の濃いサンプル(> 500 PCU)には短い光路長(OPL)が必要ですが、わずかに色の付いたサンプル(<100 PCU)では長いOPL(通常200 mm)のセルが採用されます。波長とOPLの最適な選択については、当社にお問い合わせください。飲料水用途の最も一般的な測定セルは、クリーニング高圧ノズル(オプション)を付けたロングパス・SUS(BSP)パイプねじです。 クリーニングシーケンスは、内蔵のDCP007コントローラソフトウェアを使用して完全に自動化できます。 廃水のモニタリングは通常、色の濃いサンプルで、短いOPL測定セルが使用されます。
1/8インチパイプスレッド測定セル サファイアウィンドウ洗浄ノズル付き |