従来FT-IRの次世代技術 ”QCL-IR”

DRS Daylight Solutions

QCL-IRは、約1000cm-1の波数範囲を10Hzで掃引し、スペクトルの取得が可能です。IRケミカルイメージング(2次元マッピング)、リアルタイム赤外イメージング、溶液・ガスのリアルタイム分析の時間短縮を実現し、高速で結果をご提供します。

QCL-IRとFT-IRの違い

赤外分析は、有機化合物の構造決定に一般的に広く使われている分析技術です。現在はフーリエ変換を伴うFT-IRが最もよく知られた測定方法として確立されています。FT-IRは光源としてのブロードバンド光(白色光源)、ビームスプリッター、干渉計、検出器で構成されています。サンプルに白色光源を照射し、その透過光または反射光を、干渉計を用いて得た干渉波をフーリエ変換することで、各波数における吸収強度を示す赤外吸収スペクトルを得ます。
 

 
一方、QCL-IRは、量子カスケードレーザ(QCL)を利用した新しい赤外分析技術です。QCLは赤外分析に用いられる指紋領域をカバーする波長可変レーザです(およそ3から13µm)。FT-IRとは異なり、レーザ射出口から出るレーザの波長がダイレクトに変わるため、FT-IRのフーリエ変換のような演算処理は必要ありません。サンプルの透過光または反射光の強度がそのまま赤外スペクトルになります。QCL-IRを行う場合はサンプルに照射するレーザの波長を掃引し、各波長における吸収をダイレクトに検出します。
 

QCL-IRの利点

QCL-IRの利点はその高速性にあります。Daylight Solutionsの製品では、約1000cm-1の波数範囲を10Hzで掃引し、スペクトルを取得することができます。従来のFT-IRでは、難しかった高速でのIRケミカルイメージング(2次元マッピング)、リアルタイム赤外イメージング、溶液・ガスのリアルタイム分析に応用できます。超高速のQCL-IRイメージングは、従来のFT-IRの点の世界から面の世界への特急券です。これは分析の幅を広げ、これまでFT-IRを応用しづらかった研究分野でも広く活用されることが予想されます。また、QCL-IRの高速性は、日々の分析業務のスループットを格段に向上させうるものです。

ケミカルイメージング

QCL-IRイメージング顕微鏡 Speroでは、対象波数の吸収強度を480 x 480ピクセルの解像度でリアルタイム表示が可能です(赤外イメージのリアルタイム取得)。また、視野全体の組成の二次元マッピングを取得するケミカルイメージングが可能です。これは、480 x 480ピクセルの全点でハイパースペクトルイメージングを行うことで、各材料の分布を二次元マップとして表示することができる機能です。2mm角の視野範囲の赤外ハイパースペクトルイメージングを取得するのにかかる時間はわずか35秒です。
 

測定視野全点にIRスペクトルのデータが記録されています。- IRハイパースペクトルイメージング
 
このような高速のケミカルイメージングは、バイオリサーチにも応用されます。QCL-IRイメージング顕微鏡 Spero、がんをはじめとした疾病のデジタル診断に応用されつつあります。がん化するなどした組織の一部は、赤外線の吸収特性が変化し、正常な組織に比べ吸収スペクトルに変化が生じます。これによりデジタル病理診断、創薬への応用が期待されています。

生体組織切片のQCL-IRイメージング – 各組織で色分け
 

生体組織切片のIRハイパースペクトルイメージング – イメージ中の四角形部分の平均スペクトル

 
詳しい応用例についてはQCL-IRイメージング顕微鏡 Speroの製品ページをご参照ください。

リアルタイム赤外イメージング

QCL-IRによる固定波長赤外イメージングでは、30fpsでのリアルタイムイメージングが可能です。QCL-IRにより、動的な反応を可視化することが可能になりました。

マイクロ流路内の溶液の混合のリアルタイム動的観察。 – 種類の異なる溶液が流路内で混合する様子をQCL-IRにより観察
 


生体組織切片のライブIRビデオとIRハイパースペクトルイメージング取得

リアルタイムQCL-IR(10Hz)

ガス・溶液用 QCL-IR 赤外分析装置 ChemDetectまたは溶液用 QCL-IR 赤外分析装置 Culpeoは、溶液中、または気体中の化学物質を定量的かつリアルタイムに分析が可能です。データの定量性からリアルタイム濃度モニタリングが可能です。最高10Hzの取得頻度を達成しており、リアルタイムのモニタリングが簡単に行えます。
 

溶液中のグルコース濃度の経時変化(右)と、グルコース、スクロース、フルクトース濃度のリアルタイム表示(左上)

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