フェムト秒ファイバーレーザーによる多光子顕微鏡

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litilit社のBiolit 2 フェムト秒ファイバーレーザーは、バイオフォトニクス・アプリケーションに最適な光源です。様々な非線形光学技術を用いた多光子顕微鏡では、高い効率と精度でシグナルを生成、バックグランドノイズも抑制できます。生体組織や生化学プロセスのラベルフリー観察にも好適です。

多光子顕微鏡


多光子顕微鏡は、2PF、3PF、SHG、THG、CARS、SRS等の様々な非線形光学技術が用いられます。非線形光学技術の主な利点は、光と物質の相互作用を低く抑えられる点で、これによりバックグラウンドノイズを低減し、高い空間分解能が得られます。
 
これら非線形技術の一部はラベルフリーですので、観察対象組織のダメージや汚染を軽減します。またこのようなラベルフリーでの観察結果は、生体内での現象に近い生化学プロセスを反映したものとなります。さらに超短パルスレーザーの高いピーク強度により、高いデータ取得レートと、観察組織への加熱の大幅な低減を実現できます。
 

右図:多光子顕微鏡による皮膚組織イメージング

Integrated Fiber Optics社(現litilit社)FSPシリーズ フェムト秒レーザー使用。視野(FOV)500μm。
赤色繊維:コラーゲン束、緑色の塊:脂肪細胞、青色線状部:エラスチン繊維

 

てんかん脳組織のマルチコントラストイメージング


Biolit2 フェムト秒ファイバレーザーを用いた様々なマルチコントラスト非線形イメージング技術によって撮影された、ヒトの脳組織の画像です(提供:アムステルダム自由大学)。平均的に表れている白質は、てんかん患者から得られたもので、組織ブロックを人工脳脊髄液で灌流しながら経時的にイメージングしています。多光子深度スタックは、THG(緑)、SHG(赤)、TPEF(青)の3つのチャネルで取得されました。このスタックにはカラフルな構造が表れており、最初の数マイクロメートルではいくつかの赤い毛細血管が、続いて(z = 30 um から)緑色の有髄軸索が表示されます。
 
写真提供:Laura van Huizen, prof. dr. Marloes Groot, Vrije Universiteit Amsterdam, Geert Schenk, Antonio Luchicchi, Amsterdam UMC, Clinical Neuroscience.
 

Biolit 2 フェムト秒ファイバーレーザーの多光子顕微鏡における利点


litilit社のBiolit 2 フェムト秒ファイバーレーザーは、多光子顕微鏡に最適な光源です。パルス幅は80fs以下、パルス形状はペデスタル成分や測波帯を伴わないほぼ完全なガウシアンパルスです。これにより、組織観察において、高い効率と精度で有用なシグナルを生成し、バックグランドノイズを抑制できます。またBiolitレーザープラットフォームは、15~40 MHz の広範な繰返し周波数で発振可能です。
 
一般的なフェムト秒レーザーであるTi:Sapphireに比べ、Biolitは低い繰返し周波数で発振できますので、同じ平均出力レベルで高いピークパワーが得られます。これにより観察組織への熱によるダメージを抑えることができ、より良好なSNR (従来値80 MHz PRRの最高5倍まで可能)も達成できます。また重要な利点として、組織による散乱が挙げられます。光散乱は照明光の波長の反比例するため、1045nm出力のBiolit 2 は、Ti:Sapphireレーザーに比べて3倍もの浸透深さで組織を観察でき、さらに従来型の顕微鏡で用いられてきた可視光照明に比較するとさらに大幅な観察深度が得られます。
 
Biolitはパッシブ空冷のコンパクトなレーザーヘッドで、顕微鏡への組み込みも容易です。Biolit 2 フェムト秒ファイバーレーザーで、より高い輝度とイメージング深度、高速の多光子顕微鏡を実現できます。

製品の詳細はこちら→ バイオフォトニクス向け フェムト秒ファイバーレーザー Biolit

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