ピコ秒超音波による不透明材料のサブナノメートル膜厚測定|デュアルコムレーザーによる超高速ポンプ・プローブ分光
ピコ秒超音波は、超短パルスレーザーを用いたポンプ・プローブ分光により、不透明材料内部の薄膜構造や界面状態を非接触・非破壊で評価する手法です。K2 Photonicsの単一キャビティ・デュアルコムレーザーは、機械式ディレイラインを用いずに光遅延を高速・連続スイープでき、半導体薄膜や多層膜のサブナノメートル精度の膜厚測定に適しています。

ピコ秒超音波とは
ピコ秒超音波(Picosecond Ultrasonics)は、超短パルスレーザーを用いたポンプ・プローブ分光技術の一種であり、不透明材料内部の薄膜構造や界面状態を非接触・非破壊で評価できる手法です。この手法では、ポンプ光により試料表面へ瞬間的な熱・応力を与え、発生した超音波パルスの伝搬および反射をプローブ光で時間分解測定します。反射率変化(ΔR/R)を解析することで、薄膜厚さや界面特性を高精度に評価できます。

サブナノメートルレベルの膜厚測定
超高速時間分解測定により、サブナノメートル精度での膜厚評価が可能です。半導体プロセスや多層薄膜解析に適しています。
不透明材料の内部評価
光学顕微鏡では観察が困難な不透明材料に対しても、内部界面や層構造の評価が可能です。
非接触・非破壊測定
試料への機械的接触を必要とせず、微細構造やデリケートな材料にも適用できます。
K2 Photonicsの単一キャビティ・デュアルコムレーザー
K2 Photonicsの単一キャビティ・デュアルコムレーザーは、1つのレーザー共振器から2つのモードロック・フェムト秒パルス列を生成します。単一キャビティ構造のため、コンパクトながら非常に安定した2つのパルス列を発生できます。従来のように独立した2台のレーザーを同期させる必要はなく、メカニカルなディレイラインを用いずに、繰返し周波数差による光遅延の高速・連続スイープが可能です。ターンキー操作で簡単に使用できる設計で、長期・高負荷運用にも対応しています。
システム仕様例
| 時間走査範囲 | 12.5 ns |
|---|---|
| 時間分解能 | 156 fs |
| 4096回平均でΔR/Rの標準偏差 | 1.8×10−6 |
| 更新レート | 500 Hz(1トレース 2 ms) |
主な用途
- 半導体薄膜の膜厚測定
- 多層膜・コーティング解析
- ウエハプロセスモニタリング
- 材料内部欠陥評価
- 高速インライン計測
参考文献
J. Pupeikis, W. Hu, B. Willenberg, M. Mehendale, G. A. Antonelli, C. R. Phillips, U. Keller, “Efficient pump-probe sampling with a single-cavity dual-comb laser: Application in ultrafast photoacoustics”, Photoacoustics 29, 100439 (2023)
https://doi.org/10.1016/j.pacs.2022.100439