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EOM電気光学変調器 共振型 位相変調器(RESONANTLY ENHANCED PHASE MODULATORS)

QUBIG

電気光学位相変調器(Phase Modulator)は、電気光学素子に電界を印加することで光信号の位相を変化させるデバイスです。Qubigの共振型位相変調器は紫外線(UV)から赤外線(IR)までの広い波長範囲で動作し、低い光損失、高い光出力、そして50kHzから20GHzまでの変調周波数を実現します。 共振型の位相変調器は低い駆動電圧で高い変調度を実現できるため、レーザー冷却、分光法、スペクトル拡張など、様々な用途に適しています。

EOM電気光学変調器 共振型 位相変調器(RESONANTLY ENHANCED PHASE MODULATORS)

Qubig_PM
DC結合の非共振型と比較して、狭い帯域幅において高い変調効率(低電圧で駆動可能)を実現できるのが特徴です。
高出力レーザーに対応する広い有効開口、高い変調効率、非常に低い挿入損失、非常に広い波長範囲、そして極めて低い残留強度変調 (Residual Amplitude Modulation)は、QUBIGの共振位相変調器な特徴です。
レーザー周波数安定化、レーザー冷却・イオントラップ、量子状態操作 (ラマン、リュードベリ)、スペクトル拡張・コヒーレンス抑制などに最適です。

  • 透過率:T>98%(標準)
  • 高効率/低RF駆動電力/高Q値
  • BBAR(反射防止膜):R_avg < 1%(標準)
  • 高光出力対応モデル
  • 大口径 標準3×3mm
  • 低RAMオプション

共振型EOMのRFドライバはこちら

EOM電気光学変調器 共振型 位相変調器 — タイプ別構成

QUBIGでは、バルク・自由空間型(Free Space)、ファイバー結合型、表面実装型の位相変調器を提供しています。

位相変調器 — バルク(フリースペース型)

Qubig_PM-bulk

  • 波長範囲:200 nm ~ 12 µm / 大口径結晶アパーチャ
  • 周波数帯域:50 kHz ~ 20 GHz / 高変調効率
  • 低挿入損失:典型値 < 2 %(透過率 T > 98 %) / 高光学透過性能 (ODT)
  • アプリケーション例:
    周波数安定化(LFS;PDH、FM/MTS など)、レーザー冷却・量子状態操作(ラマン遷移、リュードベリ遷移など)、
    スペクトル拡張・コヒーレンス抑制

位相変調器 — 広帯域

Qubig_PM-FC

  • 周波数チューニング:最大 20 GHz
  • 対応波長範囲:313〜1100 nm
  • 位相ロック制御:PID制御による高精度位相ロック
  • リファレンス連携:基準レーザー、光学キャビティ、原子遷移へのオフセット調整可能
  • アプリケーション例:高分解能分光、干渉計測、レーザー冷却、ラマン・コヒーレント分光、非破壊検査

ファイバー結合型 (Fiber-coupled)はこちら

アプリケーション詳細



原子 / イオン / 分子のレーザー冷却・トラッピング(Atom/Ion/Molecule trapping & cooling)

レーザー冷却は、量子物理学の実験において縮退した極低温気体を生成するために使用されます。これらの実験は絶対零度付近で行われ、ボーズ・アインシュタイン凝縮や縮退フェルミ気体といった特異な量子効果が観測されます。縮退フェルミ気体は、量子コンピュータやセンサーといった量子技術における将来の多くの応用の基礎となる要素です。近年、原子やイオンに加え、分子や微小機械物体といったより複雑なシステムのレーザー冷却に向けた進歩が遂げられています。

原子 レーザー冷却 & トラッピング

イオン レーザー冷却 & トラッピング

分子 レーザー冷却 & トラッピング



レーザー周波数安定化(Laser Frequency Stabilisation, LFS)

フリーランニングレーザーの線幅(すなわち短期安定性)は、多くの用途において十分ではないことがよくあります。Pound-Drever-Hall法(PDH法)や FM/MTS 法といった強力かつ洗練された手法は、高フィネス光共振器や原子遷移といった超安定基準に対して連続波レーザーの周波数を制御・安定化するために用いられています。

周波数安定化方式(対応モジュール・周波数帯域)

Qubig_PM

方式対応モジュール周波数帯域
PDH / FM / MTSPM-LFS1–200 MHz
Sideband-Offset
(サイドバンド・オフセット)
PM-SOL〜1.5 GHz
NICE-OHMS
(ナイス・オームス)
PM-NOS1–500 MHz



スペクトル拡張(Spectral Broadening)

広い線幅を持つレーザービームを必要とする用途は様々です。効率的な解決策の一つとして、線幅の狭いレーザーを強く位相変調し、基本波 J0(β) から多数の側波帯へエネルギーを移動させることでスペクトル広がりを実現します。高出力連続波レーザービームを SM ファイバーで伝送する場合、誘導ブリルアン後方散乱(レーザーガイドスター・ESO)によるスペクトル広がりがなければ非効率です。その他の用途としては、量子科学(レーザー冷却、白色 MOT)や分光法(複数遷移の同時励起)などがあります。

対応アプリケーション

Qubig_PM

  • White MOTなどのレーザー冷却
  • ビームコヒーレンス低減
  • 誘導ブリルアン散乱の抑制



研究・科学

位相変調器(PM)は、原子物理学、分子物理学、そして光物理学のあらゆる分野で広く用いられています。光格子中の単一イオンまたは中性原子に基づく光時計は、ラマン遷移、光再励起、位相復調といった量子状態の操作に位相変調器を用いています。計測学では、光共振器内に配置された PM が、高分解能分光法や天文分光計などの光学機器の校正に利用されています。レーザー科学では、強力な位相変調が超高速パルス光源として利用されています。

共振周波数(Resonance Frequency)別 モデルマトリックス

※お問い合わせの際には、以下について教えて頂けますようお願いいたします。

  • 波長
  • 変調周波数
  • レーザーパワー
  • 入力ビーム径
  • レーザーオペレーション(CW or パルス) 
    ※パルスの場合には、Rep rateおよびパルス幅も併せてご連絡ください
波長0.1–1.9 MHz2.0–30 MHz31–499 MHz0.5–3.9 GHz4.0–9.9 GHz10–20 GHz
UV
200–400nm
PM6-UVPM7-UVPM8-UVPM9-UVPM10-UVPM11-UV
VIS
360–650nm
PM6-VISPM7-VISPM8-VISPM9-VISPM10-VISPM11-VIS
NIR
0.6–1.1 um
PM6-IRPM7-IRPM8-IRPM9-IRPM10-IRPM11-IR
SWIR
1.0–3.0 um
PM6-SWIRPM7-SWIRPM8-SWIRPM9-SWIRPM10-SWIRPM11-SWIR
MWIR
3.1–7.4 um
PM6-MRIRPM7-MRIRPM8-MRIRPM9-MRIRPM10-MRIRPM11-MRIR
LWIR
7.5–12 um
MP6-LWIRMP7-LWIRMP8-LWIRMP9-LWIRMP10-LWIRMP11-LWIR

オプション

※モデルに応じて選択できないオプションもあります。

Tuning: +T

qubic_Tuning _T

  • 共振周波数チューニングオプション
  • チューニング範囲(typical):中心周波数+/-15%(範囲拡張可能)
  • 精密な周波数調整と周波数ドリフト補正

DC port: +DC

qubic_DC

  • 追加DCポート(SMA)
  • 帯域幅 0~10kHz(標準)
  • 複屈折補正、アクティブRAM抑制、動作点調整(AM)用

T-control: +TXC

T-control_TXC

  • 温度制御とEOMの安定化
  • 高出力対応モデルのアクティブ冷却とアクティブRAM抑制
  • サーマルマウント、温度センサー、TECを含む
  • 別途温度コントローラーが必要

Alignment: +AL5

qubic_Align-1d2e162b

  • コンパクトな5軸ステージ
  • X、Y、Zの直線移動とピッチとヨーの調整機能付き
  • 精密なEOM/レーザーアライメント用

Custom AR: +AR

Custom_AR

  • 特注ARコーティング
  • 単一波長にてR < 0.1%(標準値)
  • 複数波長ARコーティング
  • 高出力用途向けARコーティング

Wedge: +W

qubic_W-option-889815df

  • ウェッジ角:4°
  • ウェッジ面数:1
  • ARコーティング:UV – 赤外
  • RAMおよびエタロン効果の抑制用
お問合せはこちら